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2026年9月28日

教習所で習った運転を、公道でどう使うか|15年の教習経験から伝える「基本を応用する力」

教習所では、道路の左に寄って走るよう習いました。ところが都内を走ると、左側には駐車車両、自転車、電動キックボードのような特定小型原付、荷下ろし中の車、工事が、次々に現れます。どこを走ればいいのか分からなくなった経験はないでしょうか。

この記事では、教習所で習う基本を、実際の道路でどう使うかを、走行位置を例にご説明します。K Steering Labの講師は、指定自動車教習所で15年間勤務し、教習指導員として教習に携わり、技能検定員として修了検定・卒業検定の合否判定にも携わってきました。

この記事の結論
この記事で分かること

教習所で習う基本は、公道でもそのまま土台になります

最初にお伝えしておきたいのは、この記事は「教習所の運転は実際には使えない」という話ではない、ということです。

道路の左に寄って走る、車線を守る、進路を変える前に確認して合図を出す。教習所で身につける基本操作や安全確認は、実際の道路でも安全に運転するための土台です。KSLでも、その基本を崩すのではなく、実際の道路状況の中でどう使うかをお伝えしています。

実際の道路では、基本の「使い方」が難しくなります

教習では、一つひとつの基本を段階を追って身につけていきます。一方、一人で運転するようになると、「今、この場面でどの基本をどう使うか」を自分で判断する機会が増えていきます。

たとえば都内の道路では、左側の状況が数十メートルごとに変わります。

こうした場面で、障害物が一つ終わるたびに左へ戻り、次の障害物でまた右へ寄る、を繰り返すと、走行位置がなかなか安定しません。車線がある道路でも、障害物のたびに右の車線へ移り、終わったら左へ戻り、また右へ移る、を繰り返すと、進路変更の回数そのものが増えていきます。

基本を守ろうとしているのに、かえって運転が落ち着かない。これが、公道で基本の「使い方」が難しくなる典型的な場面です。

例:走行位置は、目の前だけでなく、その先まで見て決めます

交通ルールで決まっていること

走行位置については、道路交通法と、警察庁が公表している「交通の方法に関する教則」に、次のような決まりがあります。

なお、「やむを得ないとき」にどのような状況が当たるかについて、「障害物が何台あれば」「何メートル空いていれば」といった数値の基準は、法律の条文には示されていません。この記事では、特定の状況がこれに当たるかどうかの判断は行いません。

KSLで伝えている考え方

実際の道路では、左側の障害物が一つ終わっても、その少し先にまた駐車車両や自転車が続いていることがあります。そのたびに左右へ進路を変えるのではなく、前方の状況を早めに見て、交通ルールを守りながら、できるだけ安定した進路を選ぶことが大切です。

K Steering Labの講習では、目の前の障害物だけでなく、少し先の道路状況まで見て、その区間を安全かつ安定して走れる位置・進路を早めに考え、不要な左右移動や進路変更を増やさない、という考え方をお伝えしています。

「左に寄る」という基本はそのままに、左端に張り付くこと自体を目的にするのではなく、周囲を確認したうえで、車線の中で安全な間隔を取れる位置を選ぶ。そのために、目線を少し先へ置く、ということです。

誤解しないでいただきたいこと

基本を崩すのではなく、基本を守ったうえで、どの位置・どの進路が一番安定するかを、少し先まで見て判断する。これが、ここでお伝えしたい「応用」です。

次の障害物まで見て、位置を決めていましたか

ここで一度、ご自身の運転を思い出してみてください。

駐車車両を避けるとき、その車の横を通ることだけを考えていたでしょうか。それとも、その先にまた何があるかまで見て、位置を決めていたでしょうか。

久しぶりに運転するときや、慣れない道を走るときに、目の前の障害物だけに注意が向くのは自然なことです。運転に慣れていないからではなく、基本を「どう使うか」の判断基準を、まだ持っていないだけかもしれません。

走行位置のほかにも、同じ種類の判断があります

走行位置は、実際の道路で必要になる判断の一例です。ほかにも、教習所で習った基本を、その場の状況に合わせて使う場面があります。

自転車・特定小型原付の横を通るとき

2026年4月から、自動車が同じ方向に進む自転車や特定小型原付の右側を通るとき(追い越しの場合を除く)、十分な間隔がなければ、間隔に応じた安全な速度で進むことが義務になりました(道路交通法第18条第3項)。警察庁は目安として、少なくとも1メートル程度の間隔を空けること、それが取れない場合は時速20〜30キロメートル程度で運転することを示しています(いずれも状況によって異なる、あくまで目安とされています)。

KSLでは、自転車や特定小型原付の横を無理にすぐ通過しようとせず、「この先で十分な間隔を取れる場所があるか」まで見て判断してもらいます。

駐車車両を避けるとき

進路を変える前には、後方を確認して合図を出します。進路の前方に障害物があるときは、あらかじめ一時停止か減速をして、反対方向からの車に道を譲ることも、教則に示されています。

KSLでは、駐車車両の直前で慌てて進路を変えるのではなく、早い段階でその先まで見てもらいます。

狭い道のすれ違い

対向車と行き違うときは、安全な間隔を保つことが教則に示されています。

KSLでは、対向車と出会ってから考えるのではなく、すれ違えそうな場所・待てそうな場所を先に探してもらいます。

速度の調整

最高速度を超えてはいけないのはもちろん、道路交通法第70条では、道路や交通の状況に応じて、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転することが求められています。

KSLでは、速度計の数字だけで速度を決めるのではなく、「今の見通しや周囲の状況で、安全に判断できる余裕があるか」を考えてもらいます。

ほかにも

車線変更のタイミング、合流の判断、後ろから急かされても安全確認を崩さない判断なども、同じ種類の判断です。どれも「教習所で習った基本を、今この場面でどう使うか」を、自分で決める場面です。

なぜ、基本と公道での使い方の両方をお伝えできるのか

K Steering Labの講師は、指定自動車教習所で15年間勤務し、教習指導員として運転を教え、技能検定員として修了検定・卒業検定の合否判定にも携わってきました。

検定では、運転が「基本どおりにできているか」を見ます。その経験があるからこそ、基本のどこが大切なのかを、崩さずにお伝えできます。そして免許を取ったあとの実際の道路で、その基本をどう使えば落ち着いて走れるのかまで、言葉にしてお伝えすることを大切にしています。

講習で身につけていただきたいこと

まとめ

今回紹介した走行位置は、応用的な運転判断の一例です。

実際の道路では、駐車車両、自転車、狭い道、車線変更、合流、駐車など、「教習所で習った基本を、今この場面でどう使うか」を自分で判断する場面が何度もあります。

K Steering Labでは、指定自動車教習所で15年間勤務し、教習指導員として教習に、技能検定員として修了検定・卒業検定の合否判定にも携わってきた経験をもとに、教習所で身につける基本を大切にしながら、その基本を実際の道路でどう使うかまでお伝えしています。

目標は、講師が隣にいなくても、自分で状況を見て判断できるようになることです。

川野辺 駿介|K Steering Lab
※この記事の交通ルールに関する記述は、2026年9月時点の道路交通法・交通の方法に関する教則・警察庁の公表資料をもとにしています。最新の情報は、警察庁・各都道府県警察の情報をご確認ください。
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K Steering Lab 代表:川野辺 駿介
指定自動車教習所で15年勤務/教習指導員・技能検定員
東京23区を中心に出張ペーパードライバー講習を実施。
K Steering Labは自動車教習所ではありません。出張型のペーパードライバー講習サービスです。

参考資料

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